ニッケイ新聞 2012年1月19日付け
質問=INSSに関する相談です。ブラジルの法律では男性は35年間INSSを支払う必要があると思いますが、受け取れる期間は一生でしょうか。支給される期間は、INSSを支払った期間だけと聞いたことがあるので教えてください。
ちなみに私は退職したのが88年で、同年6月から支給が開始されましたが、ちょうど法律が変わった年のようで、7サラリオほどは支給されると思っていたところ通知書には4・1サラリオになっており、現在は2サラリオほどになってしまいました。
88年度の退職者は、手続きすれば年金の引き上げやまとまった金額の支給があるなど色々と聞きましたが、例えば今INSSにRevisaoを申し込んだところで、最初の受取額までもらえるようになるのか、どれくらい受取額が違ってくるのか、手続きにはどれくらい時間がかかるのかなど、知りたいと思います。
回答=まず、INSSが支給される期間は一生です。支払った期間によってそれが変わることはありません。
受取額についてですが、例えば計算ミスによって金額が減ったとしたら、Revisaoを申請して計算し直してもらい、差額を受け取ることができます。
INSSの受取額は支払った金額、支払った年数、支払い始めた年齢の3点で変わりますが、特に最後の3年間で支払った金額が計算に影響を与えます。
いずれにしても、一度INSSに行ってRevisaoを申請されてはどうでしょうか。それでも納得できないようなら、弁護士に相談してください。
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質問=アパートを一軒所有しており、そこに住むある借家人の賃貸契約書に保証人としてサインしました。しかし、その借家人が数カ月間共益費(condominio)を支払わず、アパートが差し押さえられる事態になってしまいました。ただ一軒の不動産しか所有していない場合は差し押さえられることはないと聞いたのですが、どうすればよいでしょうか。
回答=基本的に法律では、一軒しかない自分が所有している不動産に自分が住んでいる場合、いかなる借金があっても差し押さえられることはないと定められています。
ただし例外があります。借家人の保証人になった場合、共益費を支払わなかった場合、不動産を買うために借金したお金を返さなかった場合、犯罪で得たお金で購入した不動産だった場合の4つです。従って今回の場合は、差し押さえられてもどうすることもできないでしょう。
ちなみに、不動産の所有者とSindicoは同じ人であることもありますが、Sindicoとは住人の選挙で選ばれる人で、別々であることも多いです。家賃は所有者に、共益費はSindico、または不動産管理会社に支払うものです。
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質問=改名したいのですが、どうすればよいでしょうか。同姓同名の人が多すぎて、間違って借金を取り立てられたり、自分の関係のないことで迷惑を被ることがあるのですが。
回答=法律では、原則として改名は認められていません。ただし例外があり、あまりにも迷惑を被ることが多い場合には改名することができます。
CPF(納税者番号)が違うことを訴えれば同じ名前でも別人だと証明できますが、大変な作業です。それを頻繁に行う必要があるとすれば、それだけで迷惑を被っていることになり、改名の理由になります。また、聞いたら人に笑われたり侮辱されたりするような名前である場合も改名できます。弁護士に依頼し裁判所で手続きしてください。
質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP CEP 01506-000)まで。質問は日本語でもポ語でも可、ただしメールの場合はポ語のみ。質問内容をできるだけ明確にしてお寄せください。