米国ビザ取得が簡単に=更新のための面接は免除=大枚はたくブラジル人は大歓迎
ニッケイ新聞 2012年1月21日付け
ブラジルから米国への旅行者急増を受け、オバマ大統領が19日、ブラジル人へのビザ取得の手続きを簡易化すると発表した。これでまた旅行者増加に拍車がかかりそうだ。20日伯字紙が報じている。
現在、ブラジル人が米国に旅行するためのビザを取得するには、書類の提出と面接が必須で、更新のときも面接を求められるのが普通だ。そのため領事館にはビザ取得のための長蛇の列ができ、サンパウロ市の領事館での面接は45日先、レシフェでも46日など、長時間待たされる上、140〜390ドルの手数料がかかる。
だが、米国政府が今回打ち出した改正では、ビザ発行のための面接は初回のみで、高齢者や子供に関しては初回でも面接が免除される見通しだという。ビザ取得には3カ月近くかかることもあったが、米国政府は、申請者の少なくとも8割は書類送付から3週間以内に面接を受けられるようにする予定で、ビザ発給能力は40%上がると見ている。詳細は3カ月後に発表される予定だ。
また、オバマ大統領は、この改正を明らかにしたフロリダ州ディズニー・ワールドでの演説で「私たちは米国が最大の旅行目的地になることを望んでいる。旅行者が増えれば、米国内での雇用も増えるからだ」と語った。今回の改正の背景には、ブラジル、中国、インドといった新興国からの旅行者の数を増やしたいとの意向もある。ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官によれば「ブラジル、中国、インドからの旅行者は、2016年までに2010年比でそれぞれ274%、135%、50%増えるはずだ」という。
その中でも特にブラジルへの期待は高い。11年の米国への旅行者は150万人で、フランスを抜いて世界第4位、ビザ申請数では中国に次ぐ世界第2位だが、「米国での消費額」に関しては世界第1位。航空運賃や宿泊費以外にブラジル人が費やす金額は1人平均5500米ドルで、「ブラジル人はヨーロッパの旅行者が避ける傾向にあるタクシーや外食を好み、お土産やコンサートなどに金を使う傾向がある」と旅行関係者は語っている。
この背景には、ブラジル人の所得向上と米国の物価がブラジルより安いことがある。かつてはブラジル人の不法滞在者増加を懸念していた米国だが、近年はブラジルの成長と世界的な不況のあおりを受け、米国で生活していたブラジル人がブラジルへ帰る傾向も目立ち、すっかり様子が変わった。マイアミやニューヨークなどの商業地ではポルトガル語を流暢に話す店員も見受けられるという。