ニッケイ新聞 2012年1月21日付け
セーラ元サンパウロ州知事がサンパウロ市市長選への不出馬を明らかにしたため、アウキミン州知事の動きが慌しくなり始めた。20日付伯字紙が報じている。
カサビ市長は19日、次期市長選で誰を推薦するかについて「整理がついていない」と語った。市長は自身が党首をつとめる社会民主党(PSD)を「中道」と称し、労働者党(PT)から出馬するハダジ氏への支援表明に関しても、「国政と州政の間に矛盾がないなら、最も左派の党と組むのも将来的に悪くない」と弁護した。
だが、民主社会党(PSDB)のセーラ氏かPSDのアフィフィ現サンパウロ州副知事が市長候補に立ち、PSDBが副市長候補を出すならPSDBと協力するのが「当然」とも語っている。
だが、PSDB関係者の説得にもかかわらず、セーラ氏は18日、14年の大統領選への再出馬を優先し、市長選には不出馬と表明。これに慌てたのがPSDBのアウキミンサンパウロ州知事だ。セーラ氏が不出馬なら、カサビ市長にアフィフィ氏を副に置く意向がないことは既に表明済みだ。
アウキミン氏が14年知事選で再選を目指すならPSDとの連立は大切だが、カサビ氏との合意は困難と見る知事は、市長が以前所属し、従来から協力関係もあった民主党(DEM)取り込みを画策。民主運動党(PMDB)もDEMにシャリッタ氏の副にと声をかけており、DEM幹部は「アフィフィ氏出馬を避けるためならPSDBに協力するが、PTとPSDBの決選投票になればPMDBがPT側につくのは明らか」でDEMがPTに協力する事態になることを懸念。当面はPSDBの候補選出とその後の出方を見るようだ。