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ジウマ政権の初年を終えて=良い・最良の評価59%=民政復帰後最大の支持率=安定した経済が背景に

ニッケイ新聞 2012年1月24日付け

 ダッタフォーリャが1月18、19日に2575人を対象に行った調査によると、ジウマ政権初年の評価は、良い・最良が59%に達し、民政復帰後の政権初年としては最大の支持率を獲得と22日付フォーリャ紙が報じた。

 労働者党(PT)政権3期目となるジウマ政権は、ルーラ政権時代に築かれた経済基盤などを背景に、高い支持率を維持しており、良い・最良との評価も6カ月前から10%ポイント伸び、59%に達した。
 ジウマ政権の評価を、3カ月目、6カ月目、1年の順で比べてみると、良い・最良は47%から49%、59%と尻上がり。普通は34%、38%、33%、悪い・最悪は7%、10%、6%と広く国民の支持を集めている事を立証した。
 それ以前の大統領の政権初年の支持率は、コーロル政権23%、イタマル政権12%、カルドーゾ政権は第1期41%、第2期16%。政権支持率が最も高かったルーラ政権でも第1期42%、第2期50%だった。
 ジウマ政権の支持率の特徴は、学歴や所得の違いを超え、幅広い支持を得ている事。良い・最良の評価を学歴別に見てみると、中卒以下61%、高卒57%、大卒以上59%で、普通との評価も、30%、36%、33%でほぼ同率。
 所得別では、良い・最良が、5最賃未満で59%、5〜10最賃で61%、10最賃以上で53%。普通は33%、33%、42%。
 これらの数字から見ると、汚職告発による6人を含む7閣僚辞任という事実は、ジウマ政権の評価を落とす方向より、評価を上げる方向に働いたともいえそうだ。
 現政権初年の出来事としては、欧州を中心とする国際的な経済危機なども挙げられるが、経済減速化の中でも雇用は確保され、庶民の懐は守られた—。そんな庶民の思いが伝わってくるのが、個人的な経済状況は今後改善と期待する人が6カ月前の54%から60%、国の経済は発展と見る人も42%から46%に増えたという数字だ。
 インフレも6・5%と過去7年で最高だがこのところ沈静化の気配を見せており、経済の安定性と閣僚辞任劇などによって作り上げられたジウマ大統領のイメージは、決断力がある72%、聡明80%、厳格72%。
 そういう意味で、ブラジル経済が大きく揺らぎ、失業率が大きく上昇、購買力も急速に低下といった事態や、大統領自身を取り巻く大スキャンダルでも起きない限り、支持率が上がる事はあっても下がる事はなさそうなのがジウマ政権。23日の全閣僚会議では、政権初年の総括と2年目に向けた予算削減や省庁再編成などが議題に上ったはず。磐石さが増せば、14年大統領選での野党候補も攻略に骨を折りそうだ。