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市制記念日の照明ピンチ=サンパウロ市名所を狙う電線泥棒
ニッケイ新聞 2012年1月24日付け
サンパウロ市誕生458周年を直前に控えたこの時期、サンパウロ市を代表する観光名所であるオクタヴィオ・フリアス・デ・オリヴェイラ橋から、カラー照明用のサーチライトが大量に盗まれた。サンパウロ市では同様の犯罪が多発している。21日付エスタード紙が報じた。
1月9日、〃エスタイアーダ〃の愛称で知られる同橋から、サーチライト142個のうち94個が盗まれていることが判明した。それ以来、同橋では特殊な色を使うことが出来ず、通常の照明のみの点灯を行っている。
事件が起きたのはサンパウロ市の市制記念日と中国の旧正月の直前で、中国からの大使を迎えて旧正月を祝う約束をしていた市は対応に追われ、旧正月には演劇に使う赤いゼラチンを臨時に使うことによって対処したという。また、橋に新しいサーチライトを設置する場合、総工費に100万レアルかかり、設置に90日要するという。
オクタヴィオ・フリアス・デ・オリヴェイラ橋以外にも、マルジナル・ド・チエテ、ラディアル・レステ併設の自転車道、イビラプエラ公園、アイルトン・セナ・トンネル、裁判所などで、電線やサーチライトを狙う事件が起こっている。
これらの犯行で犯人が狙っているものの中心は電線で、素材である銅を再加工して闇市場で売るのが目的だという。サンパウロ市では、イビラプエラ公園で昨年後半6キロメートルの電線が盗まれたのをはじめ、月に40キロメートルの電線が盗まれており、市は闇市場で売り出される銅の最大の提供者となっている。
サンパウロ市の公共イルミネーション部(Illume)は、泥棒対策として、電線の原料を泥棒たちは市場価値のないバイメタルなどに取り替えはじめたという。