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ピニェイリーニョ=大統領も強制立退き批判=社会フォーラムで発言

ニッケイ新聞 2012年1月28日付け

 ジウマ大統領が「テーマ別社会フォーラム」の場で、サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポスのピニェイリーニョで行われた強制立退きを「野蛮な行為」と切り捨てた。27日付伯字紙が報じた。
 ジウマ大統領は26日、ポルト・アレグレ市ジガンチーニョ体育館でのパネル・ディスカッションの席で、22日に行われたピニェイリーニョ地区での不法居住者強制立退きの際、サンパウロ州軍警が行った武力行使を「野蛮な行為」と批判、「ああいう対処を望んでいたわけではない。連邦政府では決してやらないやり方だ」と語った。
 ジウマ大統領はこの日、宿泊先のホテルの前で「われわれは皆ピニェイリーニョの味方だ」というプラカードをかかげたデモ隊にも遭遇していた。
 この発言に対し、アルキミン知事は側近を通じて「非公式の発言へのコメントは出さない」としながらも、カルドーゾ法務大臣が25日に行った「連邦政府は今回の立ち退きに関する言及は行わない」という発言に触れると牽制を行った。
 この件に関しては24日にカルヴァーリョ大統領府総務長官が「連邦政府の支持を得ないまま、軍警がピニェイリーニョを戦場に変えた」と発言し、民主社会党(PSDB)が「痛ましい干渉」と批判していたが、ジウマ大統領は26日、改めて「この件の責任はサンパウロ州とサンパウロ州裁判所にある」との見解を示している。
 また、ジウマ大統領は40人ほどの環境保護法改正反対のデモ隊にも遭遇。改正案は3月までに下院通過と見られるが、デモ隊は不裁可とするよう求めている。
 ジウマ大統領は討論会の席で6月の「リオ+20」の重要性を改めて訴え、「貧困と差別を無くし、雇用を増やし、環境を守る」という自身の政治理念を強調した。