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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年2月1日付け

 現代はインターネット上でより多く、大きく扱われるかどうかが、そのテーマの重要性を示すといわれる。02年から現在までの約10年分の日系社会とブラジル関連の過去記事が無料(直近10日間は有料購読者のみ)で閲覧検索できる弊紙サイトは一定の役割を果たしていると自負する▼しかし、08年に日本の国会図書館が作った「ブラジル移民の100年」サイト(www.ndl.go.jp/brasil/greetings.html)は百年間の歴史を一望できると常々感心している。笠戸丸以前から現代までが7章に簡潔にまとまっている▼本文も的確だし、各頁に掲載の写真や当時の文献が実に参考になる。なかなか見られない日本の史料もあれば、余り見たことないブラジル側の史料もある。さすがに国会図書館だけあってよく調べている▼驚くべきことにサイトのポ語版(www.ndl.go.jp/brasil/pt/greetings.html)もしっかりある。本来はブラジル移民史料館がこのようなサイトを運営すべきだ。日本側がやってくれたことに心から感謝したい。このサイトは半永久的に残して欲しいし、できることなら頁を増やして欲しい▼式典関係は別にして、日本側でやってくれた最も有益な百周年記念事業の一つではないか。このサイトを通して、ブラジル移民のことを調べた日伯の学生は実に多いだろう。日系社会側でもネット対応を充実させる必要性は大分前から言われていたが、実際はポ語日系用語辞典「ニッケイペジア」(nikkeypedia.org.br)などが奮闘するのみだ。さらなるブラジル移民関連サイトの健闘を願う。(深)