ニッケイ新聞 2012年2月2日付け
JICAシニアボランティアとして2007年から2年間、アラサツーバ市ノロエステ地方で日本語教師の指導にあたった樋口徹生さん(福岡)が、当時の思い出を中心として移民と日本人をテーマに執筆した著書『あの山の向こうに』(文芸社、157頁、10レアル)が、昨年12月に刊行された。
水産物の貿易や加工を手がける株式会社「極洋」の元代表取締役社長。同年代の同郷者が高度成長期中に南米移住したことを知り、以来移民への興味を抱き続けてきた。退職後にモロッコとブラジルを経て、現在はタイ・バンコクで日本語教師を務める。
本書は、南米を目指しスペイン語を学ぶためバルセロナへの滞在を綴った「スペインの夏」、本章「ブラジル日記」、ボリビアのサンファン移住地を訪れた「ボリビア訪問記」の3章立て。
本章では日系団体や弓場農場、平野植民地訪問、日本語学校での勤務や移民百周年行事を通して、日本人移民や日系社会について感じたことや考察したことなどが記されている。
またシュラスコやピンガ、カーニバルなど当地の文化に触れた驚きや感動も、写真を交えて生き生きと語られている。
サンパウロ人文科学研究所で販売中。問合せは同研究所(11・3277・8616/上岡さん)まで。