ニッケイ新聞 2012年2月4日付け
ブラジルと国境をなすパラグアイのアウト・パラナ県サンタ・ローザ・デル・モンダイで、ブラジル人農夫らが生命の危機に直面していると3日付エスタード紙が報じた。
フォス・ド・イグアスから約57キロの同地域では、ここ40年間に移住し、〃ブラジグアイオス〃と呼ばれるブラジル人農夫らが大豆栽培や牧畜にいそしんできた。
ところが、そこに少なくとも7千人の土地なし農民が押しかけ、ブラジル人らを追い出そうとしているという。1日には警官200人が補強されたが、土地なし農民はサンタ・リタやニャクンダイでも増えており、緊張はますます高まっている。
同国では、国境から50キロ以内の土地を外国人に売却する事を禁じたため、25万7千ヘクタールの土地が接収される可能性が生じた。
同国に住むブラジル人は35万人で、国境から50キロ以内に住む5万人を始め、大半が農業に従事。土地なし農民達は、ブラジル人農夫の所有地周辺にキャンプを張り、作物を荒らしたり家畜を殺したりしているが、警察は何もとがめず、むしろ支援している感もあるという。
ルゴ大統領は抗争事件発生を避けると約束したが、2日現在の警察力では土地なし農民の攻撃を防ぐには不充分で、ブラジル人達は大量殺人の危機に直面しているという。