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バイーア=軍警ストでパニック=犯罪多発で戦車も導入=州知事は恩赦の要求認めず

ニッケイ新聞 2012年2月7日付け

 軍警ストでバイーア州の治安がパニック状態に陥っていることを受け、知事が陸軍や連邦警察の出動を要請。軍警らが立てこもる州議会の建物の前では軍との衝突も起きている。4〜6日付伯字紙が報じている。
 軍警のストがはじまった1月31日以降、同州では犯罪が多発し、6日午前9時30分の時点で殺人事件の犠牲者は93人に達したほか、強盗事件を恐れる店やレストランは閉店が目立った。
 州政府の要請で陸軍兵が3日朝から配備されたために海岸の人の入りは上々だったものの、週末のコンサートなどの催し物は中止となり、観光客の間にも不安が渦巻いている。ホテルなどではキャンセルも相次ぎ、夏の間、観光地として賑わう同地の産業にも大きな打撃となった。
 州政府からの要請で派遣された国家治安部隊と陸軍の兵は3100人に上り、州の警備に当たっている。また、3日の夜にジャック・ヴァギネル・バイーア州知事はテレビを通じて、ストの首謀者12人に逮捕令状が出ていることを明らかにし、首謀者の逮捕のため連邦警察から40人の警官を派遣させた。
 ストを敢行したバイーア州警察及び消防隊協会(ASPRA)所属の警官ら約500人は州議会に立てこもっているが、州政府のこうした動きに態度を硬化させ、防弾チョッキなども着用。抗争は避けたいとしながらも、軍や連警が攻撃してきた場合には反抗する姿勢を見せた。
 政府側の態度は5日には一層強固になり、サルバドール市内では戦車が4台巡回して街の警備にあたった。また、軍と連警は未明から州議会の包囲をはじめ、ASPRAのアウヴィン・ドス・サントス・シウヴァ理事を公共資産強奪と犯罪組織形成の容疑で逮捕。19時頃には州議会の電源も切断された。
 ASPRA側は5日、州政府への要求項目を減らし、スト参加者の恩赦と逮捕令状の取下げを条件にスト解除との条件を提示したが、知事はそれを受け付けず、話し合いには応じなかった。
 また、6日には州議会周囲で軍がゴム弾を発砲し、ASPRAに食料などの調達を行っていた肉親や支援隊を蹴散らし、ASPRAの孤立を深める強攻策にも出た。
 今回のこの軍警によるストは、平均2173・87レアルの軍警給与を2685レアルに引き上げさせるためのもので、その希望額はサンパウロ州軍警平均の2365・78レアルよりも高いものになっている。これに対し政府は6・5%の上昇で歩み寄っていた。バイーア州では2001年にも13日に渡る軍警ストが起きており、同様の混乱を招いている。

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