ニッケイ新聞 2012年2月7日付け
リベルダーデ文化福祉協会(ACAL)舞踊部(池芝緑苑代表)は『第一回新年踊り初め』を先月29日に同会会館で催した。
約250人が会場を埋め、池芝代表が住むサンパウロ州イタチーバ市の文協会員らが貸し切りバスで祝福に訪れ、花を添えた。
同部は今年で創立45周年。七夕祭りや東洋祭りなど催しにも欠かせない存在となっており、43人が週2回(火、木)の教室に通う。
昨年のコロニア芸能祭の選考会で生徒の佐藤文代さん(63、東京)がトップ選出されたのを含め4人が選ばれるなど躍進が目立ったことから、池芝代表が「発表の場を設けてほしい」と池崎博文ACAL会長に要請したことから実現した。
緞帳と照明設備が新調された舞台では、白粉を塗って着物に身を包んだ生徒が稽古の成果を発表。観客は静かに踊り手を見つめていた。
教室に通って5年の佐藤さんは、小曲『浜松夢がたり』を披露。「きっかけは『一世だから踊れるでしょ』と周りに言われたから。緑苑先生は厳しいけど丁寧。出会えて良かった」と話す。
池芝緑家元の義太夫『漫才』で閉幕。最後に池芝流の功績に対し、池崎会長から感謝状が渡された。
緑さんは満員の会場に感謝を述べ「皆老いましたが、元気でいようと楽しみに集まっています。これからもよろしくお願いします」とお辞儀し、拍手が送られた。
フィナーレのうきうき音頭は全生徒が参加。観客も手拍子で応え、最後まで盛り上がった。友人と訪れた山口みつ子さん(84、熊本)は「日本らしい柔らかさや優しさが感じられるから踊りはすばらしいですね」と感想を話していた。