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日本の半導体技術を広く=ルネサスが営業拠点開設=ブラジル市場の本格開拓へ

ニッケイ新聞 2012年2月9日付け

 大手半導体メーカー「ルネサス・エレクトロニクス」(本社・東京)はこのたび、ブラジルの営業拠点となる「ルネサス エレクトロニクス・ブラジル・サービス」(サンパウロ市モエマ区)を開設した。約10年前から販売店を通じて、商品の販売・技術提供を行なってきた「ルネサス エレクトロニクス・アメリカ」(米国加州、アリ・セブト代表)の子会社となる。米国から出席した北野哲郎営業本部長(57、広島)は「世界との競争でフェアに戦い、ブラジルでも市民権を得たい」と市場開拓への気概を見せた。

 同社はNECエレクトロニクスと、日立製作所と三菱電機の合弁会社「ルネサス・テクノロジ」が統合して2010年4月に設立、世界のマイコン(マイクロ・コントローラ)市場で30%の占有率を誇る。
 しかし、円高や東日本大震災の影響もあり、日本の半導体産業の成長率が横ばい状態であることから新興工業国に進出。すでに中国、インドでも事業を開始している。
 2010年の売上高に占める海外比率は50%に上り、12年には60%達成を目指す。
 世界半導体機構の調べによれば、ブラジルの年間成長率は14%。20年ほど前から、生産委託から設計・開発へと半導体事業が拡大しており、技術サポート・教育の需要も高まりつつあるという。
 7日夜にあった記念パーティーには、共同事業者を中心に約40人が出席。アリ代表(47)は「ブラジルはすばらしい市場。低消費電力、高品質、充実した製品群というわが社の強みで勝負したい」と力を込めた。すでにポ語サイト(br.renesas.com)も開設したという。