人気歌手ヴァンド死去=ブラジル女性の心を歌で魅了
ニッケイ新聞 2012年2月10日付け
1970〜80年にかけてブラジルの音楽界を代表する存在だった男性歌手ヴァンドが、8日朝死去した。9日付伯字紙が報じている。
ヴァンドは1月27日からベロ・オリゾンテ近郊の病院に動脈硬化のために入院し、呼吸器をつける予断を赦さない状態が続いていた。一時回復に向かっていたものの8日未明に容態が急変し死亡した。66歳だった。
ヴァンドことヴァンデルレイ・アウヴェス・ドス・レイスは、1945年にミナス・ジェライス州カジューリで生まれた。少年時代はサンパウロ州コンゴーニャス・ド・カンポで生活したこともある。
1973年に歌手デビュー。1975年、TVグローボのドラマ「ぺカード・カピタル」で使われた表題曲を含むアルバム「モッサ」が120万枚の売り上げを記録し、一躍注目された。
70年代の黒人の先端ファッションを象徴する大きなアフロヘアと精悍な顔立ちで女性人気が高かったヴァンドは、78年のアルバム「ゴスト・デ・マッサ」から甘いバラード歌手としての路線を決定的にし、1980年代には「フォゴ・エ・パイション」「ショーラ・コラソン」の2曲が大ヒット。88年のアルバム「オブセーノ」はまたもミリオン・セラーとなり、自身の最大ヒット作となった。生涯に売り上げたレコードは1000万枚を超えている。
コンサートでは、ヴァンドの魅力に興奮した女性ファンがステージに下着を投げ入れることで有名で、ヴァンドはその下着を1万5千枚以上集めていた。8日にベロ・オリゾンテで行われた通夜でも女性たちが下着を置いていく姿が見られた。
ヴァンドの死後、新旧問わず様々なブラジル歌手たちのコメントが寄せられ「彼こそが70年代だった」「彼の音楽は〃ヴァンド〃という唯一無二のジャンルだった」など、ヴァンドが残した音楽的功績を称えた。