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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年2月10日付け

 今年は辰年。新年会やあちらこちらで〃飛躍〃という声が聞かれる。「行って逃げたら、温泉浸かったおサルさん」。干支に限らず、新年の掛け声ぐらいは勇ましくあるべきだろう。ただ、実際にコロニア周辺であった助走準備を早くも振り返っておきたい▼サンパウロ市観光公社主催のリベルダーデツアーが始まった。観光地区ながら、見所は時折のイベントと週末のフェイラ程度だった。初回はかなりの人気ぶり。文協などが乗ずればいいが、こういう際のコロニアは鈍く、飛び移れないのが常。日系市議の美化運動ものろいどころか、死んだ亀▼東京農大会の汎米大会が発展的解消、世界大会に。その第1回が8月にサンパウロ市で開かれる。「負担が重い…」とのため息も漏れるが、世界レベルで見れば、OBの数は突出している。記者らが各地でお世話になることも多く、その底力は重々承知だ。次回へ繋ぐは最初が肝心。大会の盛り上がりを待ちたい▼昨年の「ウチナーンチュ大会」。その熱気も冷めやらぬうち、沖縄系の若い世代が集う「ニセーターツアー」があった。毎年各国持ちまわり。若いパワーを16年「ウ大会」に繋げる狙いだ。ブラジルで良いスタートを切ったと信じたい。ミナス州BHでも初の日本祭りが大盛況、その見本となった県連は事務所を移転、もはや全伯コロニアの模範というべき日本祭りの準備にも力が入る▼辰を「絶つ」「立つ」にこじつけることもあるとか。十二支の元が中国であることを考えれば、日本独自の語呂あわせなのだろうが—。過去を絶って、立つ。掛け声だけで終わらないよう、期待にあわせて、自戒も込めて。(剛)