ペトロブラス=業績が予想下回り株価下落=優先株で7・8%下げる=減収には為替の影響も大=ブラジルは石油収支赤字国に
ニッケイ新聞 2012年2月14日付け
ブラジル石油公社(ペトロブラス)の2011年決算が、前年比5%減の333億レアルの純利益で終わり、10日の株価は議決権のない優先株で7・8%という大幅な下落を記録したと11日付伯字紙が報じた。
ブラジルはもちろん、ラ米最大の事業会社であるペトロブラスの2011年の収益は、第4四半期が前年同期の半分となるなど、市場の予想を大きく下回り、年間でも5%の減収で終わった。
1997年まではブラジルの石油産業を独占し、その後も他の国際石油資本と肩を並べる水準を誇るペトロブラスは、優先株と普通株でボヴェスパ指数と呼ばれるブラジル株式市場指標の11%を占め、鉄鉱生産のVale社に次ぐ第2銘柄。ボヴェスパ指数の40%強はこの2社が占めている。
その第2銘柄のペトロブラス株が減収のために優先株で7・8%、普通株では8・28%値下がりした。更に、エイケ・バチスタ氏のMPXエネルジアが40億ドルの投資の先延ばしを発表した事などで、10日の株式市場は全体で2・34%下げ、6万3997・86ポイントで終わった。
優先株というのは、利益や利息の配当や残った財産の分配などを他種の株式よりも優先的に受け取ることができる株式で、条件が有利なため買い手がつき易く、資金調達に有利とされる。
ペトロブラスの株価がこれほど下がったのは約3年ぶり。10日の株価下落に伴う損失は282億レアルに上った。
ボヴェスパ指数を下げた要因にはギリシャの負債を巡る問題もあるが、ペトロブラス株の値下がりを招いたのは、市場関係者をして失望的と言わしめた決算の内容だ。
昨年の第4四半期収益は、2010年の106億レアルから50億レアルにと52%も減り、年間でも、352億レアルが333億レアルと5%余りの減収を記録した。
第4四半期の場合、派生品などの輸入が輸出を44億レアル上回り、国内の需要増に生産が追いついていない事などを露呈。2年連続で生産目標を達成できていないところに、予定外の生産停止に探査・生産部門の設備設置コスト、賃金、債務返済負担の増大、レアル下落による国外での諸経費や輸入経費の増加が重なった。
ブラジル全体としての石油収支は、2010年までは原油の輸出がガソリンやディーゼル、航空燃料用ケロシンといった石油派生品の輸入を2億7700万ドル上回る黒字状態だったが、2011年には、輸出の伸びを上回る輸入の伸びで、23億ドルの赤字を計上。
赤字傾向は昨年7〜12月(下半期)、特に顕著となっており、今後数年は輸入が拡大すると見られている。2011年の場合、国内のガソリン消費は22%、ケロシンも15%伸び、国内総生産(GDP)の3・5%を大きく上回る消費拡大を記録している。