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バイーア=ストの背景に政党争い=根強いDEMの支持基盤=知事とスト隊長も長く対立

ニッケイ新聞 2012年2月14日付け

 数多くの混乱を引き起こしたバイーア州の軍警ストが11日に終了した。「軍警対州政府」の構図のように見えていた今回のストだが、その裏に政治上の権力争いがあったとの指摘がある。12日付伯字紙が報じている。
 12日付エスタード紙によると、今回のバイーア州のストの背景には、同州ならびにサルバドール市における政党間の権力争いがあるという。バイーア州では古くから民主党(DEM)の大物議員だった故アントニオ・カルロス・マガリャエンス氏(ACM)の影響力が強く、ジャッケス・ヴァギネル現州知事所属の労働者党(PT)とは対立関係にある。
 PTは次期サルバドール市長選候補にネルソン・ペレグリーノ下院議員を立てる予定で、DEMからはACMの孫のACMネット氏が立候補すると見られている。
 この選挙戦でDEMは民主社会党(PSDB)と同盟を組むと見られているが、今回のストの首謀者として逮捕された軍警のマルコ・プリスコ容疑者はPSDB支持者。
 同氏とヴァギネル知事の間には対立関係があった。下院議員だったヴァギネル知事とペリグリーノ下院議員が警察官に近づこうとした2001年の軍警ストでもプリスコ容疑者は先頭に立ち、2006年の知事選では同氏の支援を得たヴァギネル氏が当選。ところが、2010年にはヴァグネル知事と仲違いし、知事選では対立候補である民主運動党(PMDB)のゲッデル・ヴィエラ・リマ氏のテレビ番組にも出演していた。
 また、厳格な治安管理を行ったACMの流れを汲むDEMにとり、ヴァギネル政権の弱点のひとつである治安面での問題は絶好の攻撃対象だ。今回、カーニバルの時期に軍警がストを起こし、犯罪が増加したことは、来るサルバドール市長選にうって出るDEMには有利な材料となる。ACMネット氏も「ストの動きを過小評価したために反応が遅れてしまった」と州知事を批判している。
 同州でのストは11日夜、リーダーの1人であるイヴァン・レイテ氏の終結宣言により12日間で終わった。同氏の声明では、全てのスト参加者への恩赦を獲得するのに成功したとあるが、軍警のアルフレド・カストロ司令官は「10日までに犯罪行為を行った人への恩赦は出していない」と語っている。
 バイーアの海岸には観光客が戻り、週末は盛況であったが、一方で11〜12日の2日でも殺人事件よる死者は13人など、治安状況は完全には回復していない。