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サントアンドレ=エロアー事件の裁判開始=警察やマスコミにも責任か

ニッケイ新聞 2012年2月14日付け

 2008年10月にサンパウロ州サントアンドレで起きた女子高生篭城殺人事件についての陪審裁判が13日よりはじまった。13日付伯字紙が報じている。
 08年10月13日、当時22歳の運転手リンデンベルク・フェルナンデス・アウヴェス容疑者が、3年間交際していた女子校生エロアー・クリスチーナ・ピメンテルさん(当時15)の自宅アパートに押し入り、友人3人と共に人質とした。友人3人はその後解放され、警察とリンデンベルク容疑者との交渉になったが、それが長引き、16日には、交渉を助けに出向いた友人のナヤラ・ロドリゲス・ダ・シウヴァさんが再び人質となった。
 17日18時10分に警察は突撃を試みたが、リンデンベルク容疑者はエロアーさんを射殺。ナヤラさんも顔面に2発被弾し、重傷を負った。
 警察の突入後、リンデンベルク容疑者はすぐに逮捕され収監されたが、長引いた交渉やTV局の女性キャスターと容疑者との電話での会話など、警察やマスコミの対応の遅さが批判された。
 被告側のアナ・ルシア・アッサド弁護士は、警察やマスコミの対応への責任と、警察の突撃が容疑者の気を動転させ、人質への発砲を招いたと弁護。警察3人、マスコミ6人を含む計14人を証言者として招いたのは、警察とマスコミにも罪をかぶせる形で容疑者の罪状を軽減させるのが狙いだ。対して原告側の証言者は人質にされた3人を含む5人。
 エロアーさんの母親のアナ・クリスチーナ・ピメンテルさんは、リンデンベルク容疑者は公聴会の席でアナさん一家に笑みを見せ、真に改悛していないとしている。
 裁判は7人の陪審員の判断に従い、裁判長はミレナ・ジアス判事が務める。リンデンベルク容疑者は12の罪で起訴されており、すべて有罪となれば、懲役50〜100年の罪になるという。