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ニッケイ法律相談=その17=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2012年2月14日付け

 質問=70歳を過ぎ、少しのpoupanca(定期預金)とアパートを所有しています。しかし相続人がいないので誰かに贈与したいと思いますが、その代わりに自分の面倒をみてもらいたいと思っています。どうすればよいでしょうか。
 回答=方法としては生存中に贈与する、遺書を残すという2つの方法がありますが、遺書は少しややこしいので生存中に贈与されることをお勧めします。登記所(cartorio)もしくは法律事務所で書類を作成してください。
 ただし「条件付き贈与」という形にして、財産を贈与する代わりに自分に対してどういったことをしてほしいのか、細かく書類に書き込まれると良いと思います。「面倒をみる」というのでは漠然としていますので。
 そして、その条件を一つでも守らなかった場合は贈与を無効にする、という条件もつけてください。そうしないと、贈与する相手が条件を守らない、つまり面倒をみてくれない場合でも贈与しなくてはならなくなります。
 条件を守っていないということは贈与する本人、つまりあなた自身が役場で申し出ることで、贈与を無効にすることができます。
 ちなみに相続人についてですが、直系の祖先、子孫(祖父母、両親、子供、孫など)は自動的に相続人になります。傍系は兄弟、おじとおば、甥と姪、従兄弟まで権利がありますが、名乗り出なければ、忘れられて相続せずに終わることになります。
     ◎
 質問=古賀弁護士に法律相談をしたいのですが、その内容は知人に知られては絶対に困るものです。事務所には常に大勢の人が来られていると思うのですが、大丈夫でしょうか。
 回答=弁護士には、依頼人の守秘義務が課せられています。もし他言すれば営業停止、場合によっては弁護士免許を剥奪されますので、ご安心ください。
 また、各政府機関のfiscal(検査官、監査役など)が許可なく法律事務所に出入りすることは法律で禁じられています。裁判所に申請して、特別な許可を得た場合のみで、それには時間を要します。
 弁護士法では、法律事務所と弁護士の自宅には不可侵権(inviolabilidade)が認められているのです。
 ですので、大切な書類を法律事務所に預けられても問題ありません。弁護士は、憲法で保障されたただひとつの自由業です。

質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP CEP 01506-000)まで。質問は日本語でもポ語でも可、ただしメールの場合はポ語のみ。質問内容をできるだけ明確にしてお寄せください。