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サンパウロ市市長選=セーラまたもどんでん返しか=出馬表明し調整要請?=PTとPSD接近で反応=PSDBはPSCと協力

ニッケイ新聞 2012年2月15日付け

 14日付フォーリャ紙によると、サンパウロ市市長選には出馬せずと発言していたはずのジョゼ・セーラ元サンパウロ州知事が市長選出馬の意向を表明し、関係者らがジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事に調整を求めているという。

 14日付エスタード紙によれば、民主社会党(PSDB)が同市長選に出馬する候補を決めるための予備選挙の締切りは14日。その前日に出馬表明のセーラ氏は、関係者を通じ、アウキミン知事にどのような手順を踏むべきか、伺いを立てているという。
 セーラ元知事の出馬表明は、社会民主党(PSD)との同盟関係を失う事を懸念するアウキミン知事が働きかけ、かつ待ち焦がれていたものではあるが、PSDBにはまたしてものどんでん返しを不満とするメンバーもおり、党内の調整とセーラ氏支援の体制作りが、アウキミン知事の手に委ねられたようだ。
 2014年の大統領選を前提に今回の市長選には立候補しないといっていたセーラ氏が出馬の意向を表明したのは、ブラジリアで10日に開催された労働者党(PT)の創立32周年の式典にPSD党首でもあるカサビサンパウロ市長が出席、PSDとPTが同盟を結ぶ動きが強まった事が主因だ。
 カサビ氏はPTとの同盟を本気で考えていると言いつつPTの式典に出席しており、PTのサンパウロ市市長選候補であるフェルナンド・ハダジ元教育相は13日、副市長候補にPSDのメイレーレス元中銀総裁との考えも表明していた。
 また、フェルナンド・エンリッケ・カルドーゾ元大統領が、14年の大統領選候補はアエシオ・ネーヴェス上議と明言した事も伏線となった。
 2010年大統領選では「自分にはもう後がない」とごね、アエシオ氏を押しやって出馬したのがセーラ氏だったが、元大統領に次はアエシオと言われた上、前回選挙で大きなミスがあったとも指摘されただけに、PTとPSDの動きを見、14年との気持ちを捨てて出馬と見られている。
 一方、カサビ氏がPTの32周年式典に出席した事を知っても、PSDとの対話は終わっていないと言い続けていたのはアウキミン知事だ。
 カサビ氏も、PT首脳を前に、セーラ氏出馬の場合には状況が変わりうるとしていただけに、急速に親密感が高まっていたPTとPSDの関係がどうなるかはまだ不明。14日付フォーリャ紙サイトによれば、カサビ氏には、14日の時点でもセーラ氏からの正式な連絡は入っておらず、PSDがセーラ氏を頭とする陣容に協力するか否かの明言を避けている。
 一方、民主運動党(PMDB)のガブリエル・シャリッタ氏は10日、カサビ氏とサンパウロ市民との関係は良好ではなく、PSDとの同盟は考えていないと発言し、キリスト教社会党(PSC)と協力する事を明らかにした。