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女性のバイク事故死急増=後遺症残ればその後に問題

ニッケイ新聞 2012年2月16日付け

 サンパウロ州でオートバイ運転中の事故で死亡する女性が急増しているという。15日付エスタード紙が報じている。
 保健省が14日に発表した統計によると、2010年にオートバイ運転中に亡くなった女性運転手は139人で、これは2005年の2倍の数字となる。また、統計上最も古い1996年にはわずか3人しかいなかったことから、14年のうちに、死亡者が約46倍になったことになる。また、サンパウロ州のみならず南東部全体においても、過去5年で男性の死者数が80%増加したのに対し、女性は98%と上回っている。
 製造業者の統計によると、現在のブラジルのオートバイ購買者の25%は女性が占めており、女性によるオートバイ購入が増えれば増えるだけ事故や死者の数も増すことを証明している。
 女性オートバイ運転手の現状に対し、交通事故犠牲者保護センター(CDVT)のルシオ・マシャド氏は「女性の場合、オートバイの事故で後遺症などが残ると、仕事の数が限られ、社会復帰するのが難しい」と警鐘を鳴らしている。
 だが、それでもまだ、数の上ではオートバイ事故の死者は男性の方が圧倒的に多い。10年も女性の139人に対し、男性は1388人が死亡。アレッシャンドレ・パジーリャ保健相は「女性の場合はレジャーやスポーツのためにオートバイを使うことは少なく、仕事のため小さな通りで使うことが多い」と、その理由を説明している。
 また、サンパウロ州の交通違反による自動車免許没収者の10人のうち9人がオートバイ運転者によるものであるという。