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エロアー事件=陪審裁判で判決下る=被告に懲役98年10カ月=判事侮辱の弁護士告発される

ニッケイ新聞 2012年2月18日付け

 2008年に起きたエロアーさん篭城殺人事件の陪審裁判が16日に終わり、リンデンベルグ・アウヴェス被告に懲役98年10カ月の実刑判決が言い渡された。17日伯字紙が報じている。
 判決の言い渡しは19時30分。ミレーナ・ディアス判事は、被告が罪を認めるなど一部情状酌量の余地はあるものの、「犯行は冷酷かつ計画的で、動機も自己中心的」であるとした。
 その結果、起訴された12の罪状のうち、「抵抗できない状態の被害者をささいな理由で殺害」したことで懲役30年、友人のナヤラさん殺害未遂で20年、アパートを包囲していた軍警のヴァレリアーノ軍曹殺害未遂で10年、エロアーさんら4人の監禁で24年2カ月、4発の銃弾を発砲したことで14年8カ月、あわせて98年10カ月の判決となった。また1320日の労役義務も課せられた。
 だが、ブラジルの法律で認められている刑務所での拘留期間は最長30年、そこから既に服役した3年4カ月を差し引くと、26年8カ月で出所できることになる。
 被告側のアナ・ルシア弁護士は陪審裁判は無効と訴える意向だが、有罪との判断は不動だ。同弁護士は4日間の裁判中、エロアーさんに短気な面があったために事態を悪化させた、被告は逮捕後の3年間、親密な面会を受け付けておらず、今もエロアーさんを愛していると主張。また、警察とマスコミが解決を長引かせたことが事件悪化に繋がったとし、「道義的にはマスコミや警察も被告と並んで台の上に立つべき」と発言した。
 一方、検察側は、銃を突きつけられたエロアーさんが終始平静でいられたはずがないと主張。マスコミの面前で身の安全を保証されたにもかかわらず、篭城を解こうとしなかったのは被告で、エロアーさんたちへの銃撃も驚いたからではなく、被告は弾をすべて使い果たしてから銃を放棄したと供述している。
 すべての供述後、7人の陪審員は判事から49の質問を受けたが、全員が被告は有罪との判断を下した。
 エロアーさんの母親のアナ・クリスチーナ・ピメンテルさんは判決後、「何があろうと私の心の傷を癒すことはできないし、娘も帰ってこない。でも、正義の判決は下された」と語った。ナヤラさんの母親も判決には満足と発言している。
 一方、アナ・ルシア弁護士は15日にディアス判事に「もっと勉強するために大学に戻るように」と発言し、侮辱罪で訴えられた。有罪となれば罰金刑か実刑判決を受ける可能性がある。