ニッケイ新聞 2012年2月25日付け
国際協力機構(JICA)ブラジル事務所ならびにサンパウロ支所の新次長となる遠藤浩昭氏(46、埼玉)が今月15日に着任し、吉田憲・前次長(47、長崎)と23日午前に本紙を訪問し、交替の挨拶を行った。
遠藤氏はウルグアイ、パナマに勤務経験がある南米通で、森林・環境問題全般が専門。着任前はJICA東京本部の地球環境部に所属し、アマゾンの森林保全・違法伐採防止などに関するプロジェクトなどに従事した。
出張で数度の来伯経験もあり「サンパウロや日系社会の活気を肌で感じてきた。皆さんと一緒に仕事ができるのが楽しみ」と期待を込める。ブラジリアが拠点だが、月に数回は来聖するという。
08年1月に着任した吉田前次長は「新興国への支援事業が良い経験となった。10年くらい居たかった」と離任を残念がる。
印象深かった事業として、08年の百周年、翌年のアマゾン移民80周年で様々な式典に参加したことを挙げ「日系パワーを感じた」と感想を語った。
「クイアバ七夕祭り(11年)など、地方の日系社会がますます活性化し、援協の自閉症療育学級プロジェクトなどを通じてブラジル社会に貢献していく場面を目の当たりにし、日伯関係を考え直す機会に恵まれた」と振り返る。
日系社会ボランティアについては「4年前に比べ現在は派遣者数が増えた」とし、任期中にボアビスタやパリンチンスなど北部にも初のボランティア派遣が実現したことも強調。年間7、80人ほど日本に日系人を招聘している事業についても継続することを明らかにした。24日に帰国後は東京本部に所属する予定。