ニッケイ新聞 2012年2月29日付け
サンパウロ市クリニカ病院が大サンパウロ市圏の住民を対象として行った調査によると、19・9%の人が不安を訴えたと25日付フォーリャ紙が報じた。
サンパウロ市とその周辺の39市に住む5037人に聞いたところ、何らかの事件に巻き込まれてトラウマに陥った例や、高所恐怖症、閉鎖空間が怖いといった症状を訴えた人が19・9%いた。
その他に、躁うつ病など、感情の起伏の大きいタイプの人が11%、怒りなどの感情が抑えられない人や集中力不足、超過動性の人が4・3%、麻薬や酒などの中毒患者が3・6%いたという。
精神面で問題を感じている人々の54%は、強盗や誘拐といった暴力事件の被害に遭ったり、目撃者として証言した経験を持っており、貧困者が多い郊外地区に住む人の方が不安などの問題を訴える割合が高い。
その意味で、1月のサンパウロ州では殺人事件の被害者が前年同月比1・6%増の382人(件数ではサンパウロ市の90が84のように2・2%減少)、強盗殺人被害者も21人が23人になったといった報道は気がかりだ。
重度の精神病と診断された人は約10%で、その比率は米国の5・7%より高いが、聞き取り調査の前、1年以内に医師の診察や治療を受けた人はその3分の1に過ぎなかったという。