ニッケイ新聞 2012年2月29日付け
両国政府機関が配布した資料、説明会で実際にあった質疑応答をいくつか羅列する。
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質問=日本の年金加入期間のほか、ブラジルとアメリカの年金加入期間があります。3カ国の年金加入期間を通算して日本の年金を受け取ることはできますか。
回答=3カ国の年金加入期間の通算はできません。
質問=日本の年金は、ブラジルの年金に加算されて支給されるのですか。
回答=日本の年金は日本から、ブラジルの年金はブラジルからそれぞれ支給されます。ブラジルの年金に日本の年金が加算されて支給されることにはなりません。
質問=ブラジルの年金は日本でどのようにして受け取れますか。
回答=日本に居住してブラジルの年金を受け取る場合は、ブラジルからの海外送金により日本国内の銀行口座へ日本円で振り込まれます。
質問=ブラジルの年金の納付状況は、日本の年金事務所や年金相談センターでわかりますか。
回答=ブラジルの年金の納付状況は、日本の年金事務所や年金相談センターではわかりません。直接、ブラジルのINSSへお問い合わせください。
質問=日本に居住している場合、日本の公的年金・公的医療保険には必ず加入しなければならないのですか。
回答=日本の法律で、原則として20歳以上60歳未満の日本に居住する人は、日本の公的年金制度に加入する義務があり、日本に居住するすべての人は日本の公的医療保険制度に加入する義務があります。協定による日本の公的年金制度の免除は、対象者がブラジル企業から一時的な派遣で日本に派遣される人などに限られます。
質問=年金期間を通算する場合、INSSから支払われる年金額は最低賃金よりも低くなることがあるのでしょうか。
回答=はい。法律により、通算する場合は最低賃金よりも支給金額が低くなることがあります。
質問=この協定は、健康保険もカバーしますか。
回答=いいえ、年金の二重払いと掛け捨てを防止するための協定ですので、健康保険はカバーしません。
質問=INSSから支払われる年金に課せられる所得税はどのようになりますか。
回答=ブラジルに居住する人については国税庁(Receita Federal)が提示しています。国外に住む人については給付額の25%となります。
質問=日本からの一時派遣者ですが、ブラジルに事業所がないためCNPJがありません。どうすればよいでしょうか。
回答=自営業者としての派遣となりますので、自然人納税者台帳の番号を記載してください。(つづく、田中詩穂記者)