ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ市市長選=セーラ氏が選挙戦リード=途中辞任の予想高いが=勝利のカギは中流家庭地域

サンパウロ市市長選=セーラ氏が選挙戦リード=途中辞任の予想高いが=勝利のカギは中流家庭地域

ニッケイ新聞 2012年3月6日付け

 民主社会党(PSDB)からサンパウロ市市長選への立候補が有力視されているジョゼ・セーラ元サンパウロ州知事が、現時点の世論調査で選挙戦をリードしていることが明らかとなった。4日付伯字紙が報じている。
 ダッタフォーリャが1〜2日に1087人の有権者に行った調査によると、セーラ氏は30%の支持を獲得し、2位のルッソマノ氏(ブラジル共和党=PRB)の19%に大差をつけた。セーラ氏は1月26〜27日に行われた調査でもトップに立っていたが、27日に行ったPSDBの予備選への出馬表明を受けて、支持率が9%ポイント急上昇した。
 3位は10%のネチーニョ氏(ブラジル共産党=PCdoB)で、以下パウリーニョ氏(民主労働党=PDT)、ソニーニャ氏(社会大衆党=PPS)、シャリッタ氏(民主運動党=PMDB)と続き、ハダジ氏(労働者党=PT)は3%だった。
 また、セーラ氏、シャリッタ氏、ハダジ氏のみで争った場合は、セーラ氏が49%を獲得、シャリッタ氏が15%、ハダジ氏が8%となった。有権者への知名度ではセーラ氏が99%、シャリッタ氏52%、ハダジ氏41%となっている。
 また、セーラ氏の替わりに別のPSDB候補で選挙戦をシュミレーションした場合、アニーバル候補が4%、トリポリ氏が3%と低調な数字で、PSDBが市長選で勝つにはセーラ氏が必要なことを伺わせた。
 だが、その一方で、「セーラ氏の2006年の市長辞任を知っている人」は76%で、「2014年の大統領選出馬のためにセーラ氏が辞任すると思う人」も66%。セーラ氏は「4年の任期を全うする」と発言しているが、任期全うを疑問視する声も高い。
 また、PTやPMDBもセーラ氏対策を練っている。2004年の市長選や10年の大統領選でのセーラ氏は、ジャルジン・パウリスタやインジアノポリス、ピニェイロス、ヴィラ・マリアナといった中流家庭居住地で圧倒的な強さを見せたが、PTはそのエリアでの拒絶反応が強いために2度敗れたマルタ氏に替えて、知名度は高くないが中流受けするハダジ氏を擁立。PMDBも中流層に支持の高いシャリッタ氏を当てている。
 この結果を受けたセーラ氏は「まだ候補になったわけではないし、調査なんて気まぐれだから」としがらも「興味深いね」と発言。一方のPTは、ハダジ氏を推しているのがルーラ前大統領やジウマ大統領であることをしらない人が多いし、先は長いと語っている。