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児童生徒の肥満を防ごう=保健省が初のキャンペーン

ニッケイ新聞 2012年3月7日付け

 年少者や若者に肥満やその予備軍が増えている事を受け、保健省が公立学校で特別キャンペーンを実施中と6日付伯字紙が報じた。
 同種の啓蒙キャンペーンは初の試みで、全国の自治体の約3分の1にあたる1938市の公立校2万2千校では9日まで、専門家による5〜19歳の児童・生徒の身長や体重測定を実施。担当者は測定結果を基に適正体重を超えているか否かを判断し、栄養指導なども行うという。
 キャンペーンの開始はミナス州ベロ・オリゾンテの学校からで、保健省では今年、500万人の公立校生徒の身長や体重の計測を行う予定だ。
 ブラジルの肥満増加は子供でも深刻で、09年の場合、10〜19歳で肥満と判断された青少年は20%。太り気味という青少年も含んだ場合、3人に1人が適正体重を超えているという。
 今回のキャンペーンの目的は、将来に向けた肥満や高血圧、糖尿病といった問題の予防で、幼少のころから正しい食生活を身につけた子供は、肥満などの問題を起こしにくいことを念頭においての啓蒙活動。肥満と判断された生徒は、地域の保健所に紹介され、医師や看護婦の指導も受ける事ができる。
 専門家は、1週間で栄養指導なども含む啓蒙キャンペーンを行うのは不可能で、時間をかけた指導が必要としつつも、政府が治療だけでなく肥満予防に本腰を入れ始めた事を評価。別の専門家は、学校のカリキュラムにも栄養や食生活の改善を盛りこむべきで、割り算の指導にはピザではなくりんごを使うなどの工夫も必要としている。

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