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燃料供給車スト=裁判所が差し止め命令=軍警が供給車への同行も=各地で深刻な燃料切れ

ニッケイ新聞 2012年3月8日付け

 5日からはじまった燃料供給車の運転手によるストでサンパウロ市内のガソリンスタンドが燃料不足の危機に陥ったことで、裁判所がスト解除を命じる暫定令を出した。7日付伯字紙が報じている。
 ストを起こしたサンパウロ州自営陸運業者組合(SINDICAM—SP)とは話し合わないまま、市は6日午後、裁判所にかけあった。
 裁判所は「燃料供給という市民にとって不可欠なサービス停止で市民を不安に陥れた」との理由で、ストの差し止め命令を出し、従わない場合は1日につき100万レアルの罰金を科すとした。
 また、サンカエターノ・ド・スールで、スト主導者が供給車に石を投げつけ、車の鍵を川に捨てる事態が起きたりしたため、6日朝からは警察や消防車用にわずかに稼動している供給車に軍警の車が同行。裁判所は6日夜、供給センターや幹線道路を封鎖するために停めてあるトラックを排除するよう命じた。
 組合側はこれらの命令にもひるまず、「マルジナル・ド・チエテに関する規定を変えるまではストを強行する」としている。スト隊の行動はエスカレートしており、警察への燃料供給を担当するある運転手は「戻ってストに参加しないとお前の車を燃やすぞ」と恐喝されたという。
 カサビ市長は「供給者への投石などの暴力行為はもってのほか。これは立派な犯罪だ。恐喝者の言いなりにはならない」と組合を激しく批判し、「規制を行っても15時間は罰金を取られずに稼動できる。それに代わる道としてロドアネルだって90億レアル以上かけて作ったじゃないか」と不理解を嘆いた。組合はロドアネルは東部と北部ができていないと異議申し立てをしている。
 また、サンパウロ州ガソリンスタンド協会(SINCOPETRO)が6日の夕方、サンパウロ市内3200のガソリンスタンドのうち128軒に問い合わせたところ、55軒がガソリン、31軒がアルコール、35軒がディーゼルを切らしたといい、残る60軒もほとんど在庫切れの状態だと発表した。
 一方、ガソリンスタンドによっては通常1リットルにつき2・57レアルのガソリンが2・99レアル、1・79レアルのエタノールが1・99レアルに値上がりした。消費者保護センターによるとこれは消費者保護条例39条に違反し、400〜600万レアルの罰金対象になるという。
 また、罰金徴収開始後の市内交通は規制時間外の渋滞が激しくなり、6日午前11時は通常の3倍となる159キロメートルの渋滞を記録した。