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女性の社会進出進む=国際女性デーで女警表彰=活躍の一方で健康悪化も

ニッケイ新聞 2012年3月9日付け

 「国際女性デー」の8日、リオ軍警のプリシラ・デ・オリヴェイラ・アゼヴェド少佐が、米国ワシントンで「もっとも勇敢な女性」の一人として表彰されると8日付エスタード紙が報じた。
 1904年3月8日に米国ニューヨークで起きた女性労働者による参政権要求スト以後、女性の政治参加や社会的平等を求める声は高まり、国連も「国際婦人年」の1975年の3月8日を「国際女性デー」に定めた。
 今回表彰されるプリシラ少佐は34歳で、リオ州保安局の治安対策コーディネーターで平和駐留部隊(UPP)責任者の一人。中尉時代の2007年9月には、カストロの丘の麻薬密売者に拉致され、何時間も拷問にかけられたが、脱出を試み3度目に成功。翌日は犯罪グループ摘発作戦に参加という逸話もある。
 プリシラ少佐自身はある講座に参加するよう招かれて米国に向かっており、着いて初めて、米国政府主催の式典で表彰される事を知った。
 ヒラリー・クリントン国務長官が司会を務め、オバマ夫人も参加する式典で表彰されるのは、プリシラ少佐の他、アフガニスタンやコロンビア、リビア、ミャンマーなどの政治家や社会活動家10人で、プリシラ少佐は「表彰は他の女性にも励ましになるはず」とし、「同じ職場の女性やUPPの関係で出会った女性達が知って喜んでくれれば」と語っている。
 米国政府による「勇敢な女性」の表彰は07年に始まり、これまでに34カ国、46人が表彰されている。
 プリシラ少佐は、従来男性のみと見られていた分野に進出した女性の一例。1892年創設の軍警騎馬隊も1990年代の参加希望者を、女性軍警もおらず女性用宿舎もないと断ったが、現在は27歳のタイス・シポラ中尉が勤務。2014年W杯までに女性隊員20人の育成を目指す。
 最新の養成講座の生徒は28人中4人が女性。32キロの装具の装着は容易ではないが、軍警の妻で兄弟も警官という28歳、化粧も忘れないプリシラ・ウルプリシトさんは「一度も落馬した事がない」と胸を張る。
 やはり夫が軍警で33歳のイヴォネッテ・アウヴェス・マシエルさんの場合、最初疑っていた夫も今や女性騎馬隊ファンで、訓練で痛む背中には娘が消炎鎮痛剤を塗りこんでくれるという。
 女性が女性である事を忘れれば、社会進出を目指した先人の努力が水泡に帰し、女性配置の意味もなくなる。20年間で高血圧や胃炎、うつ、糖尿などで悩む女性が増え、50年前の心筋梗塞の被害者は9割が男性だったが、現在は4割が女性との報告もある。仕事と家庭の両立のためには、健康管理が重大な課題の一つとなっている。