ニッケイ新聞 2012年3月10日付け
先ず去年3月11日の東日本大震災による犠牲者に対し、哀悼の意を表したいと思います。それと共に、全被災者の皆さんに対しては心からのお見舞いを申し上げます。
さてこの度の大震災から1年を迎え、コロニア5団体による、東日本大震災の犠牲者に対する1周忌の追悼法要が行なわれる事になりました。被災県民の一人として本当にありがたく感じている次第です。
去年3月の大地震はマグニチュード9と云う地震観測史上最大規模の地震で、特に岩手、宮城、福島など太平洋沿岸都市は未曾有の壊滅的被害を受け、多くの犠牲者を出しました。被災された方達は丸々裸となり、その上劣悪な環境のもと避難生活の毎日を送る事に成り、本当に悲しい限りです。
それから1年経った今、ごく1部の人に限っては少しずつ復興のきざしが見られる様になりました。しかし、少しのきざしすら見えない状態にいる方達の方が多いのではないかと思われてなりません。
この方達の1日も早い前進を願ってやまない次第です。
また一方、福島県では地震の被害よりも原発事故による放射能の被害の方が大きく、原発から30キロ以内は避難が余儀なくされ、泣きながら生まれ育った家を後にして避難されたのではないかと思うと、本当に悲しい限りであります。
そしてまた、震災から1年が過ぎた今でも、避難されている方達は、自分の家にもどる事さえ出来ない状態が続いています。この放射能の問題は本当に、想像以上の大きな被害をもたらし、今誰もがあらためて放射能の被害の大きさにおどろきを感じているのではないかと思います。
これからの復興への道のりは困難を極め、長期に渡り続くものと覚悟しなければならないものと思います。
しかしこの度の災害を通して、隣人愛というか、お互いの絆の強さも感じられた事と思います。
本当に放射能の問題は難しいが、野田首相も常に云われている様に、福島の復興なくして日本の復興はありません。1日も早い安定へと、政府は全力をあげて原発の問題にあたっています。
後は常に前向きに生きる県民一人一人の力強い努力によって、必ずもとの福島に、また以前以上の福島に復活する事を確信して居る次第であります。
では最後になりましたが、全被災地の1日も早い復興を心から願っております。