ニッケイ新聞 2012年3月14日付け
カサビサンパウロ市長在任時における最大の工事は、2大水源地の回復工事と13日付エスタード紙が報じている。
カサビ市長は今年下半期に、総額28億レアルをかけた、13地区でのファヴェーラ市街化工事と、ビリングス、グアラピランガ両湖の水源回復工事の契約を締結する意向だ。工事の完成は2016年の予定で、今月末にはカマルゴ・コレアやガルヴォンなどの大手建設会社が提案書を提出する見込み。4万6千世帯以上が工事の恩恵に預かることになるという。
これは経済活性化計画のひとつで、市と州と連邦政府が出資する水源プログラムの第3段階だ。第1段階は1996年、第2段階は2005年に工事が開始され、第3段階は今年中の着工が予定されている。ビリングス湖とグアラピランガ湖はサンパウロ市の470万人に水を供給しており、下水処理施設を備えた街づくりを進め、水質の改善を図るもの。第1段階の工事費は4億8500万レアルで、第2段階10億レアル、そして今回が28億レアルと、回を重ねるごとに倍増している。
今回の工事では、第2段階での6千世帯の倍以上となる1万3千世帯が立退きを余儀なくされるが、工事のコーディネーターのリカルド・サンパイオ氏によると立退き対象は、水源から50メートル以内の地域に住む人。これらの地区は下水収集が困難で、森林保護法が定める永久保護地区にもあたる。立退き者には、同じ地域内の別の居住地に移るまで援助金が支払われる。また、立退き後の跡地には公園が作られるという。
なお、カサビ市長が発表している工事契約がすべて成立した場合、任期最終年にはじまる工事の総契約額は約120億レアルとなる。