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故郷に引き続きご支援を=岩手県知事 達増拓也 (千田曠曉県人会長代読)

ニッケイ新聞 2012年3月14日付け

 本日、サンパウロの地において、「東日本大震災追悼法要並びに復興祈願」が開催されるにあたり、御挨拶を申し上げます。
 今からちょうど1年前の3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9・0の巨大地震が発生し、東日本の太平洋沿岸部の広い範囲に巨大な津波が襲いかかりました。
 この未曾有の大震災による死者・行方不明者は、全国で併せて1万9千人余、岩手県内でも約6千人にも上りました。この多くの尊い命とともに、長年に渡って築き上げてきた財産すべてが一瞬にして流され、その後出来得る限りの復旧に努めましたが、半年近くにも渡り多くの方々が不自由な避難所暮らしを余儀なくされました。
 このような状況の中、国内外からいただいた多くの支援や励ましのメッセージは、私たちを大いに勇気付けてくれました。中でも、ブラジルの日系人・日系団体の皆様が日本へお寄せくださった義援金は約6億円にも上ると伺っており、母国の復興を願う皆様のお気持に、改めて感謝申し上げる次第です。
 現在、住居を失った方々の多くは仮設住宅へと移られ、御自身の復興に向け取り組んでおります。皆様からいただいた義援金は、こうした被災された方々の生活再建のために活用させていただいており、被災地では、徐々にではありますが、日常生活を取り戻しつつあります。
 3・11を境に私たちの生活は一変しましたが、私たちは、あらゆる生命を尊び共に生きるという世界遺産平泉の理念を胸に、1日も早い復興に向け県民一丸となって取り組んでおりますので、皆様方におかれましては、故郷の復興に対し、引き続き御支援下さいますようお願いいたします。
 最後になりますが、本日この追悼と復興祈願の集いを開催して下さった関係者の皆様、また、御参集の皆様に、すべての岩手県民を代表して心から感謝申し上げますとともに、皆様方と御家族の今後益々の御発展をお祈り申し上げ、御挨拶とさせていただきます。