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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年3月14日付け

 コロニアが主導する形で被災地を継続的に支援する活動が具体化できないものだろうか。被災地の多くは長期にわたり、苦しみつづける。復興のための努力や犠牲はある意味、これからが本番かもしれない。一周忌法要に参加して、どんな小さなことでもいいから何か始められないかと痛感した▼遠くから法要やミサをして「想い」を伝えることも重要だが、継続的な支援を「形」にすることこそが現地から切実に求められていることではないか。例えば、毎年日本に送る県費研修生・留学生には必ず被災地に行ってボランティアをしてもらう、もしくは被災地の子供をブラジルに招待する、被災した職人を招聘して当地で講習会をしてもらうことも一つのアイデアだ▼県連ふるさと巡りのような団体、旅行社や県人会主催でもいいから、被災地まで応援に行くツアーを組むのも手だ。被災地に迷惑をかけないよう、最寄の町に泊まって被災地まで声援に行く。「顔の見える応援」をしながら被災県にお金を落としてくることは大事ではないか▼法要の中でも福島県知事の言葉(6面に全文)は特に感動的だった。もし当地からの支援ツアーが福島へ行けるのなら、ぜひ「放射能なんか怖くない」と声に出し、土産物をたくさん買い込んでほしい。実現すれば、どれだけ地元のみなさんを元気付けられるか▼援協の菊地義治会長は閉会の辞で「祖国日本を支援することで、日系社会が活性化できるような活動」を論じたが、そのとおりだ。今年はそれを具体化すべき年だ。特に各県人会は恒例イベントに震災募金や関連企画を必ず入れ、3・11の記憶が風化しないようにして欲しい。(深)