地下鉄とCPTM=朝のラッシュに事故重発=16万5千人の足に影響=夜にも停車トラブル発生
ニッケイ新聞 2012年3月16日付け
14日朝、ラッシュ時のパウリスタ都電公社(CPTM)とサンパウロ市地下鉄で計四つの問題が生じ、サンパウロ市民の足に多大な影響が出た。この件に象徴されるように、サンパウロ市では頻発する公共交通機関のトラブルが問題視されている。15日付伯字紙が報じている。
14日午前5時5分、マルジナル・ピニェイロス沿いを走るCPTM9号線のグランジャ・ジュリエッタ〜サントアマーロ駅間で電力のシステム異常が発生した。これによりCPTMは全線で減速運転を行い、駅は大混雑。電車の待ち時間は通常の4分から7分、最悪の場合15分の遅れが生じた。また、CPTM9号線と連結する地下鉄5号線も、長い停車を余儀なくされた。
また、6時40分には地下鉄3号線ドン・ペドロ・セグンド駅で扉の空気圧縮システムとブレーキに異常が見つかり、7時21分まで減速運転となった。
7時30分には、地下鉄1号線ヴィラ・マリアナ駅でジャバクアラ方面に向かう電車の牽引システムに異常が発生。3号線アルトゥル・アウヴィン駅でも、9時45分に同様の異常が発生した。地下鉄の発表によると、16万5千人の足に影響が出たという。
だが、この日はこれで終わらなかった。15時40分には地下鉄2号線サコマン駅で空気圧縮システムの異常。また、19時40分にはCPTM9号線ヴィラ・ロボス〜ジャグアレー駅間で電力ネットワークが落ち、乗客が降車と歩いての移動を余儀なくされた。このトラブルは21時頃まで続いた。
既に今年7度の事故を起こしたCPTMは「古いシステムを新しいものに変えるようつとめる」との声明を出した。
今回の事故の原因として、乗客増による混雑があげられている。CPTM9号線は、地下鉄4号線開通の影響で利用者が増え、2011年2月〜12年2月で49%の乗客増を記録。現在は1日40万人が利用している。CPTM全体でも2011年は11%の乗客増で、これは地下鉄の8%を上回る。
また、地下鉄では今年に入り1号線で13、2号線で10、3号線で13の計36回、2日に1度のペースで故障が起きている。地下鉄でも乗客の混雑は問題となっており、地下鉄のビルマル・フラチニ運営局長は「100%無事故というのは不可能だ」と語っている。
また、地下鉄は12年予算に49億レアルの投資を計上しているが、大半が新線開設と延長のためで、従来線の保守費用は、1号線で22%、3号線で8・9%が前年より減らされている。