ニッケイ新聞 2012年3月16日付け
「孤独なツバメたち」の上映後シンポで、出演者の松村エドアルドさんは「僕らは日本人でもブラジル人でもない、ビラ・ラッタ・ド・ウマニダーデ(Vira-lata do humanidade、人類の捨て犬)」と自嘲して聴衆を驚かせていた。ブラジル人に聞くとそういう慣用表現はないそうで、おそらく彼の造語。彼らのような境遇の人しか思いつかないポ語といえそう。
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ブラジル東京海上保険の桐生裕規氏によれば、世界中に進出する東京海上グループは、地震が多発する国では「地震保険」も販売しているという。もちろんブラジルでは販売していない。地震の被害はあまりに大きく民間保険会社では対応しきれないため、地震保険制度の補償額の半分は国が負担しているそう。今回の地震の被害総額は16兆円を超える試算で、自然災害としては戦後最大。確かに気が遠くなるほどの金額だ。
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着々と新メンバーを増やしている盛和塾ブラジル。稲盛和夫塾長の著作をポ語に翻訳し塾生やその社員に配布するほか、「本でしか学べない遠方の人も、塾長の話をどこでも聞けるように」と講和をポ語に吹き替え、塾生やその社員に提供も予定している。塾長の教えをコツコツと全て実践した塾生の中には、わずか2年で社員が1千人から1700人、会社の収益は10倍になった人もいるとか。