ニッケイ新聞 2012年3月24日付け
【既報関連】卒業直前の大学生が受験するテストENADEで、パウリスタ総合大学(Unip)以外にも30を超える大学に不正疑惑がもたれている。23日付エスタード紙が報じている。
これらの不正はメルカダンテ現教育相が発見したものではなく、ハダジ前教育相が在職中からいわれていた。それらの不正がいつ見つかったか、なぜこれまで処罰していなかったのかなどの説明は行われていない。
メルカダンテ教育相は不正が疑われる大学のリストの公表は避けたが、不正を行った大学には全講座の60日間の監査をその費用の支払いを命ずる。Unipの場合、100の講座の監査費用は60万レアルになる。
Unipは2010年、最終学年前期の成績を操作し、優秀な学生のみに8割以上履修済みのENADE受験資格を与えた。栄養学の2007年度の207%アップ、全国平均よりも25%以上という急激な点数の上昇を記録した。今回不正が発覚した大学の成績などは未確認だが、同様の戦略がとられたものと思われる。
ENADEは大学の入学年と最終学年生を対象に11月に行われ、結果は大学が生徒を募集する際の学力レベルの目安とされている。
Unipの不正告発後の14日、教育相は12年のENADEは13年8月に卒業予定の学生も受験させるように制度を変更した。前期の成績不良者はENADEを受けさせないまま8月に卒業させ、成績優秀者のみによるENADE受験という不正を防ぐためだ。また、成績の良くない生徒が最終学年次に他大学に転校するのを防ぐため、ENADEの結果を受験生がもといた大学のものとして反映させるなどの対策も練っている。