ニッケイ新聞 2012年3月28日付け
在クリチーバ日本国総領事館(山口登総領事)はパラナ小児ガン患者支援協会(クリチーバ)、アクリダス児童養護施設(クリチーバ)、ジョインヴィレ・アイバンク(サンタカタリーナ州ジョインヴィレ)に対して草の根・人間の安全保障無償資金協力を行うにあたり、2月28日午後、総領事公邸で署名式を行った。3福祉団体から代表者約20人が集まった。
パラナ小児ガン患者支援協会へは「プラハの幼きイエス新外来化学療法センター及び看護センター整備計画」に対し、8万8894米ドルの贈与を実施。近年の小児ガン患者の増加により、外来化学療法センターの対応能力が限界に達したことから施設の移転・改修が行われる。同計画により、一日当たり現在の30人から約40人の小児ガン患者へと対応を拡大できるようになる。
アクリダス児童養護施設へは「アクリダス児童養護施設総合調理センター及び食堂建設計画」に10万4754米ドルの贈与を行う。総合調理センター(200平方メートル)を建設し、乳児、幼児、青少年の各部ごとに負担していた食事準備の一本化を目指す。建設予定の調理センターでは、施設入所者の88人と職員80人の計168人分の食事が用意できるようになる。
ジョインヴィレ市立病院施設に併設されるジョインヴィレ・アイバンクへは4万7222米ドルの贈与が行われ、「視覚障害者支援計画」が進められる。同計画により、移植角膜の検査や角膜内皮細胞の撮影、解析に必要な装置が整えられ、サンタカタリーナ州の臓器移植センターに登録される角膜移植待機患者、約1250人への支援となる。
署名式で山口総領事は「ブラジルの社会プロジェクトに貢献できて嬉しい。この贈与が効果的に使用され、両国民の友好の発展となりますように」とあいさつ。署名が行われ、集まった代表者らから「目的達成のため大きな一歩となる。いただいた寄付を有効に利用したい」と、感謝の言葉が述べられた。