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日系3人目の陸軍将官誕生=岡村アンジェロ少将=死んだ父の夢を果たす=南大河州で司令官に

ニッケイ新聞 2012年4月3日付け

 小原彰、小松パウロの2氏に続き日系3人目となる陸軍将官が先月末に誕生した。岡村アンジェロさん(漢字名は「安次男」、52、二世)は、ジウマ大統領から将官だけに与えられる軍刀の授与式に今月参加した後、5月3日から南大河州ペロタスの第8装甲部隊司令官に就任する予定だ。2008年には駐スペインブラジル大使館付き武官も務めており、それに関して岡村さんは「息子を軍人か外交官にしたいという、死んだ父の夢がどちらも叶った」と嬉しそうに語った。「陸軍に入って、国や軍、国民のために尽くす精神を学んできた。これまで力になってくれた全ての人に感謝したい。本当に光栄です」と感謝の気持を述べた。

 陸軍には約22万人が所属するが、少将まで昇進するのは1千人程度、ほんの一握りの選ばれた人材のみが上れる階段だ。陸・海・空軍を合わせると6人目の日系人将官となる。岡村さんは「どの役職に就いても、その役職で最高の仕事ができるように努めて来た」と日系らしい献身振りをうかがわせる。
 広島県出身の父・岡村清巳さん(1938年渡伯)、愛媛県出身の母・川上早苗さん(22年渡伯)の子としてパラナ州サンセバスチャン・ダ・アモレイラに生まれ、ロンドリーナ市に移り住み、そこで小・中・高校時代を過ごした。
 実姉の田港マリエさん(61)=クリチーバ在住=は「小さい頃からすごく勉強家で責任感が強かった」と振り返る。当時はカステロ・ブランコ大統領(陸軍元帥=マレシャル)が憧れの対象で「僕はいつかマレシャル・オカムラになる」と話していたと思い出す。
 82年にリオ州ヘゼンデにある士官養成学校アグリャス・ネグラス大学校通信科に入学し、87年にはリオ市陸軍体育学校体育科で学び教官となった。同大学校通信科や電子戦争指導センターで教官を務め、97年には陸軍で最高レベルのリオ市陸軍参謀本部司令官学校に入学、その後同校通信科や同市カンジド・メンデス大学院国際関係科で教鞭を振るった。
 空軍や米国士官訓練学校でも指導に携わったほか、第1電子戦争中隊で初の副司令官、国連アンゴラ監視団の一員を務めるなど、外交面でも数々の要職に就いた。
 岡村さんを直接知るサンスイ社の平崎靖之社長補佐は「とても明るく人当たりがよく、偉そうなところがない人。日系人から3人目の将官が出るなんて希望が湧く」と昇進を喜び、パラナ州アラポンガスに住む従兄弟の大枝セルジオさんも、「親戚として誇らしい。優秀な教官で様々な任務を受け持っていた。少将の地位に相応しいと思う」と祝いの言葉を贈った。