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刑法改正で売春合法化?=警察の賄賂問題を重要視=未成年売春の取締り強化も

ニッケイ新聞 2012年4月11日付け

 刑法の改正案提出に伴い、上院が売春宿を合法化する法案を出す方向でいることが明らかとなった。10日付フォーリャ紙が報じている。
 上院の委員会が5月末までに本会議に提出する予定の刑法改正案で最も注目されるのは風俗営業に関してで、委員会は、摘発されれば2〜5年の実刑が課される売春宿を合法化する意向だ。
 刑法の専門家によると、現行法は、警察が売春宿の経営者から、営業を認める見返りとして賄賂を巻き上げるためだけのものとなっているといい、フォーリャ紙では賄賂として20万レアルを警察に支払った経営者の例も紹介している。
 一方で、未成年の売買春に関しての規制は強化され、18歳未満の青少年と性交渉した人物に対する刑期が、これまでの3〜6年から4〜10年に延び、宿の経営者も処罰の対象となる。
 また、現在は実質無法規となっている14〜18歳未満の売春婦との性交渉は、顧客を処罰することが明記される。また、女性が自らの意思でなく、強制されて売春婦となったことが発覚した場合、経営者には5〜9年の刑が科せられる。
 上院の刑法改正委員会のルイス・カルロス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス氏は「刑法は、1940年代の聖騎士のような道徳観念のままではいられない」と、今回の改正案が今日の社会の現実に即したものであることを強調している。
 今回の改正案については、ドイツやオランダで既に行われているような形で、売春宿の経営者と売春婦との間の労働環境が法的に整備されると評価する向きもある。
 売春撲滅を推進してきたセルゲイ・コブラ・アブレックス弁護士は「裁判所をも巻き込んだ売春宿根絶阻止策だ」と批判し、「社会を守る最終的な解決策は何が犯罪かを明確にすること」なのに改正案は売春を合法化すると警鐘を鳴らす。
 一方、社会学者でもあるアドリアナ・グラグナニ弁護士は「改正案は、憲法で保障されている人権問題や国際法廷で争われてきた問題と現状を合致させるための新しい論拠を提供」し、「自らの意思での行為と第3者によって強いられた犯罪を区別させてくれる」としている。
 また、これ以外の刑法の改正案では、これまで存在しなかったテロ対策法案が加えられ、テロ行為を行ったものには8〜15年の懲役が課される。また、児童強姦罪は14歳までの子供に対する犯罪者に対し8〜15年の懲役刑となっていたところが、12歳までの子供への犯罪者に8〜12年の懲役刑となる。

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