ニッケイ新聞 2012年4月12日付け
サンパウロ新聞の投稿欄(3月17、24日付け)に池崎博文と渡部和夫両氏への叙勲を批判する原稿が載った。この件に関し文協で会合があったと聞いた。特別にーというわけではなく理事会の場で「発表」があったという▼個人批判はコロニア新聞の特徴(特長ではない)だが、こうした反応は珍しい。引退を公言しているが隠然とした影響を感じさせる。とはいえ、渡部氏が立腹しているわけではなく、文協として抗議するということでもないようだ。推薦団体の立場を考えたものでもあったろう▼批判の内容は、100周年や国士舘スポーツセンターにおける渡部氏の〃処し方〃に関するものだ。文協側の反論によれば、この叙勲はブラジル社会、日伯関係に対する貢献に対するもので批判は全くの「的外れ」とか。仄聞だが、差出人の住所はユーモアか文協になっていたようだ▼あくまで個人の意見だが、コロニアでそういう見方をする人は少なからずいることは着任以来、数々の移住地を回っている大部一秋総領事もご存知だろう。一方、池崎氏の批判の方は端的に言えば「同胞を助けずリベルダーデの東洋人街化を促した」。池崎氏、この記事を読んでガックリしていたとか▼実は今年「文協改革10周年」である。経理問題に端を発した騒動のさなかに華々しく登場し、改革に大鉈を振るったのが渡部氏であり、拵えた上原御輿は6年後の100周年まで担がれた。時期は未定だが、文協は「改革シンポジウム」を開催予定らしい。コロニアにおける氏の評価を下した投稿主には、シンポの結果を重々吟味して、再度の健筆を本名で期待したい。(剛)