ニッケイ新聞 2012年4月17日付け
ジウマ政権が国内産業保護のための対策を打ち出す中、輸入業者から「保護主義的だ」との非難の声があがっている。15、16日付エスタード紙が報じている。
現政権は3日にも、経済活動を刺激するための減免税策などを発表したが、規則が複雑であることなどで企業を混乱させている上、今度は輸入業者からも攻撃を受けることとなった。
「輸入業者というのは常に〃みにくいアヒルの子〃と見なされる。まるで輸入が罪みたいじゃないか」と、国内大手の輸入企業セルトレーディングスのアルフレッド・デ・ゴイエ社長は不満を漏らしている。
輸入業者は80年代以降、「密輸者」のイメージを避けようとし続けているが、今日も3月25日通りの輸入業者が安い中国製品の温床と目されるなど、ブラジル産業からのイメージが悪い。
そうした事情から、輸入業者たちは2006年からブラジル大衆輸入製品連盟(Abipp)を設立し、正式な課税手続きを行った輸入品と密輸品の違いを訴えている。同連盟のグスターヴォ・デヴディヴィチス会長は「ルーラ政権時代には貧困層に対する危惧があったため、私たちはそういう人たちに商品を供給できた。だが、ジウマ政権になってから輸入業者はまるで泥棒扱いだ」と現政権を批判している。
また、セルトレーディングス、コメクスポルト、コチア、シザなどの輸入業者は、厳しくなる課税や輸入品を扱う港湾の分散化に不満を持っており、ブラジル・トレーディング・カンパニー会(Abece)を強化して業界内の議論を活発化させるため、前政権の商工開発省副大臣イヴァン・ラマーリョ氏と契約した。「現政権では保護色が急に強まった。経済省は輸入品が侵入していると決めつけている」と同氏は語っている。