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ヒラリー国務長官が来伯=ブラジルの重要性を改めて強調=ジウマ大統領の透明性評価

ニッケイ新聞 2012年4月19日付け

 16、17日に米国のヒラリー・クリントン国務長官がブラジリアを訪問し、ブラジルの国連での重要性や、ブラジル人の米国への入国問題、ジウマ大統領への評価について語った。18日付伯字紙が報じた。
 ヒラリー国務長官は16日にブラジリア入りし記者会見を行った。その席で、国連の安全保障理事会はこれからずっとブラジルのような国の存在抜きには語れないとし、「現状の国連の再編を米国は約束する」と語った。
 ブラジルを含む新興国の国際的な発言権の増大は近年のBRICS諸国の間での目標であるが、同16日、世界銀行の新総裁は米国のジム・ヨン・キム氏がブラジルの推薦するナイジェリアのンゴジ・オコンジョ・イウェアラ氏を破って当選を果した。
 またヒラリー氏は、コフィー・アナン前国連事務総長の仲介で実現した国連平和部隊とアラブ連合軍のシリア派遣の成否について、「これから派遣する国もあるので判断は時期尚早」との見解を示した。ブラジルも平和部隊への派兵をアナン氏から強く要求されている。
 また、その後は全国工業連盟(CNI)の会議に参加し演説を行った。その中でヒラリー氏は、近年のブラジルから米国への旅行者の多さと消費額の大きさを評価し、より効率的なビザ発行を約束した。また、「ブラジルと中国から米国への航空便を増やす予定だ」と語った。
 3月27日に発表された「グローバル・エントリー」というプランは、商用ビザの所有者で米国とブラジルの両国の許可を得た人が自動チェックイン機で入国審査を可能とするもので、5月に調印される運びだ。ブラジル人のビザ免除の件は、駐伯米国大使館のトッド・チャップマン顧問が「両国間での十分な対話が必要で時間がかかる」と説明したように、実現はしばらく先になりそうだ。
 また、ヒラリー氏は17日にジウマ大統領と対談を行った。その席でヒラリー氏はジウマ大統領について「汚職問題への取り組みで新しい世界基準を作り上げている」と評価した。それに対しジウマ大統領は、自治省、連邦警察、司法の例をあげ、国を治めるメカニズムに大きな進歩があったことを理由にあげた。ヒラリー氏は「不正は国家が良い国を作ろうとする動機まで殺してしまう」とし、そうした取り組みを行うブラジルと透明性のある関係を築けることを誇りに思うと語った。