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レプソル社が賠償請求=亜国のYPF国有化に抗議

ニッケイ新聞 2012年4月19日付け

 16日のアルゼンチン政府による石油大手YPF社の国有化宣言に反発し、同社株を保有していたスペインのレプソル社が100億米ドルを超える賠償請求を行った。18日付伯字紙が報じた。
 17日、レプソル社のアントニオ・ブルファウ社長は記者会見で、クリスチーナ大統領がYPF社国有化を発表した後に急落した株価で保有株を買い取ろうとしているとし、「国の経済危機隠蔽のためにYPFを利用した」「これが罰せられずに終わるわけがない。あらゆる法的手段に訴える」と非難した。同社は105億米ドルの支払いを亜国政府に求め、世界銀行にも判断を仰ぐ。同社は、近年の発見の中でも最も重要なヴァカ・ムエルタ油田を奪われたことに対しても賠償請求を行うとしている。
 同社の動きに対し、亜国のアクセル・キシロフ副経済相は「そんな額を払うのが当然だとレスポル社が考えているのだとしたら愚かしい」と一蹴、さらにレプソル社に90億米ドル相当の負債があると発言した。YPF新代表のフリオ・デ・ヴィード開発相も「レプソル社が起こした環境やインフラの損害を考えると滅茶苦茶な言い分だ」と批判した。
 一方スペインのマリアーノ・ラホイ首相は滞在先のメキシコで17日にこの件についての声明を発表し、「亜国は昨日(16日)起きたことで大きな代償を払うことになる」と語った。また、欧州連合のキャサリン・アシュトン委員長も「国外の投資家の反応はきわめて悪い」と語った。
 ブラジルのエジソン・ロボン鉱山動力相は20日にデ・ヴィードYPF新代表と会談を行うが、亜国のYPF社国有化については「それは亜国内の問題であって、ブラジルがとやかくいう筋合いはない」と発言。亜国ペトロブラスに関しては、同社の存在を脅かすような問題は起きていないとし、国有化の可能性も否定した。