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■訃報■宝田豊造氏

ニッケイ新聞 2012年4月19日付け

 サンパウロ日伯援護協会に、これまで個人としては最高額を寄付した篤志家として知られる宝田豊造さんが12日夜、入院していた日伯友好病院で肺炎、呼吸不全、腎不全の合併症で亡くなった。91歳だった。
 東京都出身。1929年に8歳のとき家族で来伯し、サンパウロ州ジャルジノーポリス市のサンジョン耕地に入植した。奥地を転々とし、数年後に出聖。様々な職を経て、歯科医療器具の販売外交員として20年以上働き、入院直前まで仕事をしていた。
 1986年、日伯友好病院の建設資金として14・5キロ余りの金塊(純金)を寄付し、それまでのコロニア史上最高額で、病院建設に寄せられた寄付金としても最高額だった。
 翌年には当時の竹中正会長から表彰状と記念品、ブラジル地理学協会から表彰状とメダル、日本の外務省から感謝状と副賞(銀杯)が贈られている。
 その後も2007年には「社会福祉センター」建設資金にと7万レアルを寄付した。
 坂和三郎副会長は、「援協の恩人。多額の援助を頂いて感謝の念に耐えない。惜しい人が亡くなり非常に残念」とコメントしている。
 葬儀は13日、森口イナシオ前会長の取り仕切りで挙行され、ポア市営墓地に埋葬された。初七日、四十九日ミサは未定。