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ニッケイ新聞 2012年4月19日付け

 希望の家が実施中の「プロジェクト・キレイ」。詳しい話を聞くため、知り合いの理事に電話を掛けるが中々繋がらず、施設に掛けても不在。殆どの理事が仕事を持つ若者とあって、やはり忙しいようだ。上村惠ジャイロ理事長もイベントがあれば出席するが、実は「一緒に会社を経営していた兄弟が亡くなって今大変」だとか。仕事を抱えながらも施設に尽くす、理事の皆さんの熱意に脱帽。
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 「あなた日本人?」—両替のため旅行代理店の列に並んでいると、年配の婦人から声を掛けられた。聞けば、55年前に来伯したという。見ず知らずのコラム子に、食事はしっかりとっているのか、ブラジルには慣れたかなどと温かい言葉をかけてくれたうえ「困ったことがあったら電話しなさい」と笑顔で連絡先まで渡してくれた。来伯して10日目だけに感激。
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 清貧を貫き、コツコツ働いて貯めた文字通りの浄財を援協に寄付し続けた宝田豊造さん。「天国にお金は持っていけない。日系社会のために使うのは当たり前」との言葉は胸を打つ。亡くなった12日、友好病院の経営審議会が開かれたときの報告では、そこまで危険な病態ではなかったという。援協史上、宝田さんだけに贈られていた生涯有効な「病院無料使用証明書」は、亡くなる前に入院するまで使ったことがなかったそう。「援協の恩人」と役員に言わしめた素晴らしい人物に、ぜひ、生前にお会いしてみたかった。