ニッケイ新聞 2012年4月21日付け
最高裁の長官に副長官だったカルロス・アイレス・ブリット氏が就任し、決意のほどを語った。20日付フォーリャ紙が報じている。
最高裁長官の就任式は19日に最高裁で、ジウマ大統領やテメル副大統領ら2千人立会いのもとで行われた。ブリット長官は就任の挨拶で「腹の中に王を持つ人はいつか死ぬ。つまり、裁判官とは特権ではなく、社会の人々への規範でなくてはならない」とし、裁判官は謙虚でなければならないと訴えた。
また、ブリット新長官は、セザール・ペルーゾ前長官や多くの人が行っている、近年の裁判での判決が国民の意見に歩み寄りすぎているという批判に対しては、裁判官は民意の期待に応えるものでなくてはならないとの見解を示した。
ブリット長官の所信表明演説は詩の引用を多く使った神秘的なもので、「裁判の結果」がどういうものであるかを表現する際も「思考と感情の結婚のようなものであり、文学的な言い回しをするのであれば〃第3の眼〃とでも言うべき、均衡の取れた立場ともいえる。その〃第3の眼〃は目に見えるものではないが、同時に全てを見るものである」と答えている。
新長官の任期は、定年となる70歳を迎える今年の11月までの7カ月と短いものであるが、その任期中に、2005年に労働者党(PT)を中心に起こった大規模な汚職事件である〃メンサロン〃の裁判など、重要な案件を抱えている。
また、ブリット氏の最高裁長官就任に伴い、ジョアキム・バルボーザ氏が黒人ではじめて最高裁副長官に就任。カルメン・ルシア最高裁判事は女性初の高等選挙裁判所長官に就任した。