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税関輸入品新対策に問題=郵送での購入は数カ月遅れ=輸入業者の財政にも損害

ニッケイ新聞 2012年5月1日付け

 「赤い潮作戦」と呼ばれる連邦歳入局の対策により、インターネットなどを通じて国外から購入した品の入荷が大幅に遅れ、消費者や輸入業者らに損害を与えている。4月30日付エスタード紙が報じている。
 3月19日にはじまった「赤い潮作戦」は密輸対策の一環で、従来ならほとんど自動的に通過できる「緑チャンネル」だった輸入品も、輸入品の精密な中身確認と書類による審査が必要な「赤チャンネル」に振り分けられるようになった。この作戦がいつまで続くかは決まっておらず、審査にかかる日数が増えたため、空港や港で通関待ちとなっている輸入品が山積しはじめている。
 特に被害が大きいのがサンパウロ州の港や空港で、船による輸入品の約30%、飛行機による輸入品の50%以上がサンパウロ州の港や空港を通過する。
 作戦の影響をより強く受けているのは個人輸入をしている人々で、インターネットで注文した商品の到着に4カ月を要す事態が起きている。サンパウロ州リベイロン・プレット在住の大学院生ラヤン・バリーザさんは、通常1カ月で届いていた個人輸入の品8個が、最悪の場合80日経っても届かないことに業を煮やし、インターネットで抗議の署名を呼びかけたところ、4月29日までに969人分の署名を得た。
 ブラジルでは郵送による商品の輸入が盛んになり、2011年の個人輸入は478万件に上った。郵送で購入する品はコンピューターの備品やゲームなど高額でない物が多いが、それでも個人輸入による売上は320万米ドルに上る。こうした事態は、国外から購入した方が国内で購入するより平均60%も安いという事情によるものだ。
 また、「赤い潮作戦」による通関の遅れは輸入業者にも損害を与えている。輸入品の審査にかかる時間が従来の3〜5日から約3倍の10〜15日になったため、コンテナの使用期日が延び、トラックの運転手にも通関待ち間の賃金を払わなくてはならないなど、余分な出費が増えている。また、輸入品の品代は供給者に支払ったのに、商品を届けるまでは顧客から代金を受け取れないため、資金の流れが途切れ、銀行に余分な利息を払う必要もでてくる。
 大手輸入業者セルトレーディングのアルフレッド・デ・ゴエイ社長は「この種の作戦は違法業者と優良業者を区別せずに行うのが問題だ」と非難。カロル・モンテイロ・デ・カルヴァーリョ弁護士は、この作戦で在庫が減り企業活動に支障が出た会社は裁判に訴えることも検討中とし、「公的機関が審査をするのは妥当だが、それが企業の活動を停めてはならない」と語っている。

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