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養育を怠った父に賠償金=同種の訴訟に道を開くか

ニッケイ新聞 2012年5月4日付け

 高等裁判所(STJ)が、幼年期から青年期にかけての娘の養育義務を果たさなかった父親に対し、20万レアルの賠償金の支払いを科す暫定判決を出した。3日付伯字紙が報じている。
 この裁判は、サンパウロ州ヴォトランチン在住のルシアーニ・ヌーネス・デ・オリヴェイラ・ソウザさん(38)が実父であるアントニオ・カルロス・ジャマス・ドス・サントス被告に対し2000年から起こしていたもので、ルシアーニさんは母親とアントニオ被告が婚姻関係になかったため、幼少期や青年期に父親から何の養育も受けず、被告と正式な婚姻関係を持つ別の女性が産んだ子供のように私立大学に進むこともできなかったことで、道義上の損害を受けたとして賠償金を求めていた。
 この訴えに対し、被告は原告の母親から面会を強硬に謝絶されたからと反論していたが、サンパウロ州の地方裁判所はこれ以前に被告に41万5千レアルの賠償金支払いを命ずる判決を下していた。
 この裁判を担当したSTJのナンシー・アンドリッチ判事は、「愛の深さは審議の対象ではないが、実の親や養父母に対し(憲法が定めた幼少時から青年期の)養育義務は審議対象だ」とした。また、この判決は「法の人間性に道を切り開いた」とも語った。
 同様のケースの裁判は過去にもあったが、2005年にはSTJ、2009年には最高裁(STF)で否決されており、今回の判決は同様の裁判に道を切り開くものとして注目されている。
 この判決後、被告側弁護士は上告の構えを見せた。また、原告側、被告側共にこの判決に対する発言は行っていない。

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