ニッケイ新聞 2012年5月8日付け
日本の領土はなんとも狭い。それでも森林が多く、国の70%超が緑滴る山林であり、豊かな雨が降り注ぐ温暖な気候に恵れた瑞穂の国として栄えてきた。だが—その昔は金の山々も多く、欧州の冒険家らは「ジパング」を目指したの話もあるそうだ。けれども、石油や鉄鉱石のない「資源小国」であり、領土面積だけを見ると、世界で61番目とかの小さなニッポンなのである▼しかし—「四海波静か」と、海の広さをも加えると一挙に膨らみ巨大な国家になる。領海は12海里ながら、これに排他的経済水域200海里を加えると世界6位の超々がつく大国になる。それもこれも3千を超すとされる島があり、これが海水域を広げている。そんなところへ国連が「沖ノ鳥島」の北方に大陸棚拡大を認めたので日本の水域はさらに広がった。この海底は「宝」とも呼ばれ貴重な鉱物資源が眠っている▼この「沖ノ鳥島」は、東京の南になり、1740キロも離れている沖の小島である。南北1・4キロ、東西4・5キロ。周囲11キロのサンゴ礁の島だし最高標高は15センチしかない。それでも満潮のときでも東小島と北小島の二つの露岩は沈まないできちんと立っている。そこには灯台や大きな観測施設もある立派な「島」なのである。中国と韓国は「あれは岩だ」と主張するが、国連はこれを見事なばかりに退けたのだから日本は大喜びというわけだ▼国連が認めた大陸棚は、31万平方キロだからほぼ日本の領土と同じ程の面積であり、海底にはレアメタルやコバルト資源が豊富だとされ政府と財界の期待も大きいし、ここは日本の国連外交を称えたい。(遯)