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世論調査=サンパウロ市長選はセーラ氏リード=3分の1の支持を獲得=ハダジ氏は現時点で3%=未だに低い有権者の意識

ニッケイ新聞 2012年5月11日付け

 10月に行われるサンパウロ市市長選の世論調査が行われ、前サンパウロ州知事のジョゼ・セーラ氏(民主社会党:PSDB)が全体の約3分の1の支持を集めてトップに立った。10日付エスタード紙が報じている。

 ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)が5〜7日に、16歳以上のサンパウロ市民805人を対象に「市長選挙では誰に投票するか」と訊いたところ、セーラ氏が全体の31%の支持を獲得し、2位のルッソマノ氏(ブラジル共和党:PRB)に15%ポイントの差をつけてトップに立った。以下、ネッチーニョ氏(ブラジル共産党:PCdoB)8%、ソニーニャ氏(社会大衆党:PPS)7%。シャリッタ氏(民主運動党:PMDB)6%、パウリーニョ氏(民主労働党:PDT)5%と続き、労働者党(PT)のハダジ氏3%で7位だった。
 セーラ氏はあらゆる所得層の支持を得ており、高等教育を受けた人の支持は32%でダントツのトップ、最低所得層の支持でも17%でトップに立っているが、不支持率も全体の35%と高く、ネッチーニョ氏の38%に次ぐ2位だった。
 この結果を受け、セーラ氏は、「今の段階で世論調査にコメントするのは早すぎる。政党にプレッシャーがかかるだけだ」と語った。また、ハダジ氏は「3月のダッタフォーリャの結果とほぼ同じ。まだ投票者が選挙のことをよく把握してない段階だ」と語った。実際、今回の調査では、5人に4人が候補者の名前もよく知らなかった。
 一方、エスタード紙は「候補者は10人いるが、現状では2・5人での争いだ。2人はセーラ氏とハダジ氏で、ハダジ氏は現状の支持率は低いものの、サンパウロ市でのPTの支持率(31%)から考えて脱落は考えにくい。ルッソマノ氏とネッチーニョ氏はテレビ番組に定期的に出演しているから知名度はあるが、公示日以降は出演が制限されるために不利であり、むしろシャリッタ氏に可能性があるが、ハダジ氏と同様に今後のテレビでのアピールが必要になるだろう」としている。
 セーラ氏をめぐる動きとしては、8日の緑の党(PV)に続き、民主党(DEM)が来週、セーラ氏支持を発表する予定。これはサルヴァドールの市長選にDEMから出馬するACMネット候補をPSDBが支持すると約束したことへの見返りだとされている。
 また、ハダジ氏側の動向としては、高等選挙裁判所が8日夜、15日から行う党アピールの放送時間を3回分で15分認める判決を下した。PTは2010年の大統領選挙の際、公示日前に選挙放送を行い、上半期の放送時間を10分削減されるはずだった。また、21日にサンパウロ市議会が党名誉総裁であるルーラ前大統領にサンパウロ市名誉市民章とアンシエッタ章の授与を行う予定で、ハダジ氏がそばに立てば、その存在を市民に印象づけることができると見られている。