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USPの照明入札差し止め=昨年来の懸案事項は先送り

ニッケイ新聞 2012年5月11日付け

 サンパウロ州の会計検査院(TCE)が9日、サンパウロ総合大学(USP)の新しい照明システムの入札を差し止めた。10日付伯字紙が報じている。
 サンパウロ市西部のブタンタン・キャンパスでの照明の暗さは学生や職員の間で問題視されている。特に、昨年の5月18日に経済・経営・会計学部の4年生だったフェリッペ・ラモス・デ・パイヴァさんが駐車場で賊に襲われて射殺されてからは、学生を中心に「軍警のパトロールではなく照明を入れろ」との声が強まっていた。
 こうした声に応える形で、USPは昨年5月に入札を実施し、同7月には落札企業が照明設置計画も発表した。計画によると、ブタンタン・キャンパスには現在の3200個の倍となる7千個の電球を設置し、使用する電球は発光ダイオードを使用したもので、明るさや耐久性も良く、消費電力も10〜15%節約できるという。
 だが、この入札の際、USP側が作成した入札規定が問題となった。USPは入札企業の条件として、公道に2500以上の発光ダイオードの電球を設置したことがあること、市場に出回っている照明能力を超えた85lm/ワットの電球を供給できることなどを求めたが、これでは「入札企業が限られてしまう」として、入札を考えていた競合企業が訴えた。TCEは抗議した企業の訴えを汲み、入札無効の判決を下すこととなった。
 TCEはUSPに5日以内に入札基準の修正を言い渡したが、9日夜になって、USP側が入札の撤廃を発表した。
 これにより、6200万レアル相当の照明計画は宙に浮いてしまい、12年中に予定されていた照明の設置がいつになるかは、見通しすら立たない状況となっている。

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